大阪府でAI研修に使える補助金・助成金
大阪府は、「AI」という言葉を制度の名前に掲げるのが全国的に見ても早い地域です。豊中市には生成AIツールの月額利用料まで対象にした「AI促進補助金」があり、府には大阪産業局が運営する無料のAI相談窓口「大阪デジタル・AI活用促進プロジェクト(OBDX)」があります。相談だけなら無料で受けられる場所がいくつもあるので、費用をかける前にまずそちらを使うのが賢い順番です。そのうえで研修に予算を割く段になったときのために、大阪府内の企業が使える制度を国・府・市の順にまとめました。
使える制度の一覧
2026-08-26時点で、公式ページに掲載されている内容をまとめています。 金額・要件・受付期間は変更されることがありますので、申請前に必ずリンク先の公式ページでご確認ください。
| 実施主体 | 豊中市(都市活力部産業振興課) |
|---|---|
| 対象 | AIコンシェルジュ派遣事業でAIコンシェルジュから対象事業の提案を受けた、豊中市内の中小企業者 |
| 補助額・補助率 | 補助率2分の1/上限10万円(累計10万円に達するまで複数回申込可能) |
| 年度・受付 | 令和8年2月2日〜令和9年1月29日(予算上限に達した時点で終了) |
| 公式ページ | https://www.city.toyonaka.osaka.jp/machi/sangyoushinkou/hojokin/r8aisokushinhozyo.html |
全国的にも珍しい、名前に「AI」を掲げた市の補助金です。対象経費の例に生成AIツール(ChatGPT Plus、Copilot Proなど)の月額利用料や導入サポート費が明記されています。金額は10万円と大きくありませんが、AIコンシェルジュの派遣とセットで設計されているのが特徴です。豊中市内の企業はまずここから。
| 実施主体 | 堺市(産業振興局 地域産業創造課) |
|---|---|
| 対象 | 堺市内に事業所を有し市税の滞納がない中小企業者(従業員300人以下の社会福祉法人を含む)で、産業DX支援センターまたは堺商工会議所の支援を受けた事業者 |
| 補助額・補助率 | 補助率2分の1以内/上限100万円 |
| 年度・受付 | 令和8年5月1日〜令和8年8月31日(支援機関への申込締切は令和8年7月17日17時) |
| 公式ページ | https://www.city.sakai.lg.jp/sangyo/shienyuushi/dx_shien/digitalka.html |
IoT・AI・ロボット・ソフトウェアの導入費に加えて、導入計画の策定やコンサルティングの委託外注費も対象です。支援機関の支援を受けていることが条件なので、申請を考えるなら産業DX支援センターか堺商工会議所への相談が先になります。
| 実施主体 | 大阪府 商工労働部 雇用推進室 就業促進課 |
|---|---|
| 対象 | 教育訓練給付制度に該当しない方(雇用保険に加入したことがない方、離職して1年以上経過している方、雇用保険加入期間が1年未満の方など) |
| 補助額・補助率 | デジタル関係の講座は受講費用の4分の3(75%)/運輸・建設関係も4分の3/その他の講座は2分の1、20万円の範囲内 |
| 年度・受付 | 令和8年4月1日以降に開講し令和9年2月28日までに修了する厚生労働省指定の教育訓練が対象。申請受付は令和9年3月10日(水)まで |
| 公式ページ | https://www.pref.osaka.lg.jp/o110100/koyotaisaku/skillup3/index.html |
企業向けではなく個人向けの制度ですが、デジタル関係の講座に4分の3という高い率が設定されています。雇用保険の対象外だった方(フリーランス、離職期間が長い方、勤続1年未満の方)が学び直す場合の受け皿です。従業員の中に該当する方がいれば、案内する価値があります。
| 実施主体 | 大阪府(労働環境課) |
|---|---|
| 対象 | 大阪府内に事業場を設置し、国の業務改善助成金について令和8年9月1日以降に交付申請して令和9年3月5日までに交付確定通知を受けた事業者 |
| 補助額・補助率 | 補助対象経費の4分の1(200万円を超えるときは200万円) |
| 年度・受付 | 事前登録は令和8年9月1日(火)から。交付申請は令和8年12月1日(火)〜令和9年3月10日(水) |
| 公式ページ | https://www.pref.osaka.lg.jp/o110090/rodokankyo/gyoumukaizen_chinagesokushin_hojokin.html |
国の業務改善助成金に上乗せする形の府の制度です。国の助成金を先に取ることが前提になるため、賃上げと生産性向上をセットで進める計画がある企業向けです。事前登録が9月1日から始まります。
| 実施主体 | 厚生労働省(窓口:大阪労働局 助成金センター) |
|---|---|
| 対象 | 雇用保険の適用事業所である事業主(要件は各コースにより異なる) |
| 補助額・補助率 | コース・企業規模により異なる(経費助成+賃金助成) |
| 年度・受付 | 通年(コースごとに要件・申請期限あり) |
| 公式ページ | https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/roudoukyoku/busho_ichiran.html |
令和8年8月3日付で改正があり、人材育成支援コースへの中高年齢者実習型訓練の新設、人への投資促進コースへの新規採用助成・職務代行助成の追加、事業展開等リスキリング支援コースへの設備投資加算の新設が案内されています。窓口は大阪労働局助成金センター(大阪市中央区常盤町1-3-8 中央大通FNビル/06-7669-8900)。訓練開始前に計画届が必要です。
| 実施主体 | 独立行政法人中小企業基盤整備機構(事務局:TOPPAN株式会社) |
|---|---|
| 対象 | 生産性向上に資するITツールを導入する中小企業・小規模事業者等 |
| 補助額・補助率 | 通常枠:1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下/補助率2分の1以内(低賃金雇用者が全従業員の30%以上の場合は3分の2以内) |
| 年度・受付 | 2026年度/通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は2026年9月29日(火)17:00、複数者連携枠は2026年10月30日(金)17:00 |
| 公式ページ | https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/ |
2026年度から「IT導入補助金」より名称が変わりました。補助対象経費にはソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)のほか、オプションとして導入コンサルティング・活用コンサルティング・導入研修も含まれます。ツール導入とセットなら研修費用が対象に入る余地があります。
大阪府の相談窓口・支援機関
補助金の相談や、AI・DX導入そのものの相談ができる大阪府内の公的機関です。
大阪デジタル・AI活用促進プロジェクト(OBDX)
公益財団法人大阪産業局が運営する、AI・デジタル活用の無料相談窓口です。ITの専門家が経営状況をヒアリングして課題を整理してくれます(オンライン面談・1時間程度・無料)。セミナー形式の「デジタル・AI活用人材育成」講座もあります。何から手をつければいいか分からない段階で、まず使う場所です。
大阪府DX推進パートナーズ
府内中小企業の困りごとと、解決策を提案できる企業をつなぐ大阪府のプラットフォームです。121社が連携協定を結んで参画しています。ヒアリングシートに課題を書いて出すと、府の職員がヒアリングしたうえでパートナー企業から提案が届く仕組みです。
大阪産業創造館 DX推進相談窓口
大阪産業局が運営する大阪産業創造館の無料相談窓口です。ホームページ・ネットショップ活用、クラウドサービス導入、販売管理・予約管理システム、IoT化・AI導入まで幅広く扱います。メール相談は24時間受付で原則2営業日以内に回答、面談は予約制で1回60分程度。
公益財団法人 大阪産業局
大阪の産業支援の中核組織です。大阪産業創造館、MOBIO、大阪よろず支援拠点、マイドームおおさか、大阪イノベーションハブ(OIH)、ソフト産業プラザ(TEQS)など、多くの支援拠点を運営しています。
地方独立行政法人 大阪産業技術研究所(ORIST)
大阪府立産業技術総合研究所と大阪市立工業研究所が統合して平成29年に発足した研究機関です。技術相談は無料。オーダーメード研修・レディメード研修という有料の人材育成メニューも持っています。和泉センターと森之宮センターの2拠点。
ソフト産業プラザ TEQS
「IoT、ロボット、AI、ビッグデータ等の先端技術を活用したビジネスのサポート拠点」として大阪市が設けた施設です。インキュベーションオフィスや3Dプリンター等の設備を提供し、先端技術セミナーも開催しています。5Gのオープンラボ「5G X LAB OSAKA」も併設(ATCビルITM棟6階/06-6615-1000)。
大阪の企業さまからよくいただくご質問
大阪にはAI専用の補助金があると聞きました。
豊中市の「AI促進補助金」のことだと思います。補助率2分の1・上限10万円と規模は小さいものの、生成AIツール(ChatGPT PlusやCopilot Proなど)の月額利用料や導入サポート費が対象経費に明記されている、全国的にも珍しい制度です。令和9年1月29日まで受け付けています(予算上限に達し次第終了)。豊中市内の企業なら、AIコンシェルジュの派遣とセットで使えます。
研修にお金をかける前に、無料で相談できる場所はありますか?
大阪はここが充実しています。大阪産業局の「OBDX(大阪デジタル・AI活用促進プロジェクト)」はAI・デジタル活用の無料相談窓口で、専門家がオンラインで1時間ヒアリングしてくれます。大阪産業創造館のDX推進相談窓口も無料で、メール相談なら原則2営業日以内に回答が来ます。府の「DX推進パートナーズ」(121社参画)に困りごとを出す方法もあります。まずこれらを使って、それでも足りない部分をご相談ください。
従業員10人以下の町工場ですが、AI研修は意味がありますか?
大阪はまさにその規模の会社が支えている府です。製造事業所数は全国2位ですが、府の資料自体が「中小規模の製造事業所が多く、比較的小物の製造が盛ん」と分析しています。多品種少量の現場は一品ごとに図面も見積も納期回答も違うので、決まった型に落とし込めない。だからこそAIが効きます。研修では御社が実際に使っている書類を持ち込んでいただいて、その場で処理させるところまでやります。
府内のどこまで来てもらえますか?
大阪府内43市町村すべてに伺います。大阪市・堺市の2つの政令指定都市はもちろん、豊能・三島・北河内・中河内・泉北・泉南・南河内の各地域も対応しています。オンラインでの実施にも対応していますので、複数拠点の社員をまとめて受講させたい場合もご相談ください。
雇用保険に入っていないスタッフにも学ばせたいのですが。
大阪府の「スキルアップ支援金」が該当する可能性があります。教育訓練給付制度に該当しない方(雇用保険に加入したことがない方、離職して1年以上の方、加入期間1年未満の方)が対象で、デジタル関係の講座なら受講費用の4分の3が支給されます。申請受付は令和9年3月10日まで。厚生労働省指定の教育訓練が対象なので、対象講座かどうかは事務局(06-6966-1030)にご確認ください。